物作りは誰のためにやるのか

物作りは誰のためにやるのか

ニュージーランドのクリスマスホリデーは長い。

僕が働いている鈑金塗装工場も、クリスマスから年始まで約3週間の休みに入る。

この時期はどこも大混雑。


年明け最初の仕事週。

金曜日に休みを取って、タラナキから車で4、5時間、東海岸にある街タウランガへ向かった。

小さなプチトリップだけど、あとになって振り返ると、かなり大きな学びのある時間だった。


訪ねたのは、友人のクリスの実家。

クリスと奥さんのミカちゃんとは、2年前に日本・千葉の片貝で出会った仲間で、今はニュージーランドと日本を行き来する二拠点生活をしている。


クリスの実家は、オーガニックのキウイフルーツファーム。

そこで出会ったクリスの父・マイクは82歳。

今でも庭仕事をし、驚くほど頭が冴えていて、話がとにかく面白い。


マイクは、農家を始めた時はイチゴ農家だった。

農家一年目には7,000株のイチゴを植えたものの、天候不順で全滅。資金も底をついた。

それでも諦めず、次に選んだのがキウイフルーツだった。


最初の果樹園は、一般的な農薬を使う農園。

そこはマイクの子供達6人兄弟の遊び場でもあった。


強い農薬を撒いたあと三日間は子供達に農場に立ち入り禁止を伝えるが、

子供達はそんな事は気にせず遊びに入る。

そして体調を崩し何度も寝込む姿を見て、マイクは悩み続けた末に決断する。


「オーガニックにしよう」


効率も、簡単さも、全部捨てての選択だったと思う。

周囲の農家との問題もあり、決して楽な道ではなかったそうだ。


それでも、マイクは誰のために作っているのかを見失わなかった。


結果として、彼の姿勢に心を動かされた周囲の農家たちも次第にオーガニックへと移行し、

今ではそのエリア一帯が、大きなオーガニック農園になっている。


話をしていて一番驚いたのは、彼の思考のスピードだった。

僕が「土地を買って何か始めたい」と話すと、

「ちょっと待ってろ」と言って本を持ってきて、

僕の住むタラナキの特性、気候、向いている作物まで、すぐに具体案を出してくれる。


年齢の問題じゃない。

考え続けること。作り続けること。

それが人を若く保つんだと、はっきり感じた。


サーフボード作りも、同じだと思う。

儲けが大きい、ただ流行っている。

それだけじゃなく、誰が、どんな時間を過ごすための一本なのか


マイクのキウイフルーツと同じように、

BeStokeのボードも、乗る人の人生の一部になるものを作りたい。


クリスマスホリデーの小さな旅が、

改めてそんな原点をまた思い出させてくれた。

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