海外で始まった僕の鈑金塗装人生 ― オークランド編 ―

海外で始まった僕の鈑金塗装人生 ― オークランド編 ―

 


オークランドで仕事が決まったのは、ある意味で突然でした。

金曜日の面接の後、次の週の月曜日からすぐに働くことになり、朝7時から午後4時までのシフト。休憩は10時半から11時、そして午後2時から2時半の二回。

職場は街の中心部にあり、車の通りも人の流れも多く、いつも渋滞している“都会のど真ん中”。そんな場所で、僕の海外での鈑金塗装人生がスタートした。


日本では10年以上、鈑金塗装の世界に身を置いてきた。だけど海外での仕事はこれが初めて。

とはいえ、色の呼び名も塗装の専門用語もほぼ英語。Blue、White、Red…。ベースは同じだから、いざやってみると意外とすんなり入っていけた気がする。


驚いたのは、すべてがデジタル化されていたこと。そしてヘルス&セーフティ(安全対策系)の徹底ぶり。

どれも日本とは違う部分で、新鮮さと刺激があった。

なにより、会社全体が“やる気に満ちている若いチーム”で、それだけで僕はけっこうハッピーだった。


そして、働き始めて一週間が経とうとしていた金曜日。


金曜日は “Friday Beers”。

仕事を少し早めに切り上げて、みんなでビールを飲みながらゆるく過ごすというニュージーランドらしい文化だ(少しの飲酒運転は大丈夫な国)。


そこで仲良くなったのが、サモア人の同僚。

身長2メートル、体重120キロ。毎日ジムに通う“超”パワー系。

でも笑顔がかわいい、めちゃくちゃいいやつだ。


その日、彼が

「お前面白いな。うち来いよ」

と誘ってくれた。


彼の車の後をついて行くと、家に着いた途端に

“Are you ready?”

と聞かれ、そのままガレージへ案内された。


そこは、いわゆる “男の遊び場(Man Cave)”

ニュージーランドでは、ガレージを自分の趣味スペースにするのが当たり前。

そして次の瞬間、彼は大麻を吸おうと言い出した。(ニュージランドでは合法ではないが場所や用途を守れれば警察は何も言ってこない感覚です。)


何度か経験はあるが、彼のモノは、めちゃくちゃ効きが良く一口吸っただけでそこから僕は 笑顔のまま2時間くらい動けない状態だ続いた。


そのまま彼のファミリーディナーが始まり、ソファで固まってニコニコしている僕を、子どもたちが指でツンツンしながら

「Are you okay…?」

と心配してくる始末。


彼の家に遊びに来たアジア人のは僕が初めてだったらしく、みんな興味津々で、ちょっとしたスター扱いだった。


こうして、僕の海外での正社員としての鈑金塗装人生が幕を開けた。


文化も言語も違う。けれど、仕事を通して人とつながる面白さはどこに行っても同じだ。

そしてあのサモア人の同僚との出会いは、今でも忘れられないスタートの思い出になっている。

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