もうすぐラグランでWSLのイベントが始まる。
ニュージーランドで大きなイベントの話題になるたび、僕はいつも思い出す景色がある。
2014年。
まだ僕がオークランドに住んでいた頃、Eminem のライブが開催された。
会場は5万5千人規模。会場のWestanSpringsという郊外の、大きな公園が満杯になったと今でも語られている程の規模感だ。
当時のニュージーランド人口から考えると、100人に1人以上がそのライブに行っていた計算になるくらい、大きなイベントだった。
でもその日、僕たちは街の小さなライブへ向かっていて、バスに乗っていた。
途中、エミネムのライブへ向かう若者グループが乗り込んできた。
もうベロベロでキマっている感じで、車内は一気にフェスみたいな空気に。
何かの会話をきっかけに、突然みんなでエミネムのラップを歌い出したりしていた。
運転手さんも
「お前ら静かにしろよ〜」
なんて言いながら、どこか笑っていたのを覚えている。
しばらくして、小さな子供を二人連れた母親が乗ってきた。
でも車内は満席。
その瞬間、騒いでいた若者たちが、すぐに席を譲った。
僕はその時、少し恥ずかしくなった。
勝手なイメージで彼らを見ていたこと。
そして、すぐ動けなかった自分。
ニュージーランドにいると、こういう瞬間によく出会う。
騒いでいても、ちゃんと周りを見ている。
自然に助け合い、声を掛け合う。
WSLみたいな大きなイベントの話題になるたび、なぜか僕はあの日のバスを思い出す。
僕はこの国が本当に好きだ。
そして、この国の人たちから学ぶことは今でも本当に多い。
